研究課題/領域番号 |
21592705
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研究機関 | 埼玉県立大学 |
研究代表者 |
五味 敏昭 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (00104159)
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研究分担者 |
佐野 恵美香 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 助教 (10404930)
國澤 尚子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (20310625)
西原 賢 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 講師 (80336495)
坂田 悍教 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (70113793)
細川 武 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (40095386)
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キーワード | MRI / 肘窩 / 注射部位 / 正中神経 / 上腕動脈 / 血管-神経束 / 神経損傷 / 血管損傷 |
研究概要 |
1. 目的 肘関節前面(屈側)は「肘窩」とよばれ、ここにおける採血・静脈注射は日常的に臨床現場で広く行われている。今回、肘窩における刺入部位近傍の皮静脈および血管-神経束を構成する正中神経、上腕動・静脈の位置関係について映像解剖学的見地より立体的に検索した。 2. 研究方法 被験者として本学学生28名(男子12名、女子16名、平均年齢19.7歳)の協力を得た。上腕骨の内側上顆と外側上顆を結ぶHuter線を基準線とした。この基準線を中心として上(中枢側)と下(末梢側)に20mmずつ計40mmについて3mm間隔のスライス断面を作成した。本研究の倫理的配慮に関しては本学倫理委員会の承認を得た。 3. 結果と考察 Huter線での断面においては、肘正中皮静脈(橈側正中皮静脈・尺側正中皮静脈)、橈側皮静脈、尺側皮静脈、上腕動脈、上腕静脈、正中神経の他に、上腕骨、肘頭(尺骨)、上腕二頭筋腱、上腕筋、腕橈骨筋、円回内筋、長・短橈側手根伸筋、肘筋などが観察された。上腕動脈・上腕静脈・正中神経から成る血管神経束は上腕二頭筋腱の内側に位置していたが、動脈・静脈・神経の位置関係は様々であった。Huter線の中心から血管神経束を構成している上腕静脈・上腕動脈・正中神経までの角度と距離はそれぞれ44.3度、56.3度、56.7度、10.6mm、12.7mm、16.1mmであった。また皮静脈の径は肘正中皮静脈が一番大きく、以下、尺側皮静脈、橈側皮静脈の順であった。Huter線の中心より内側にある尺側正中皮静脈、尺側皮静脈は上腕二頭筋腱の内側に存在する血管神経束と近接している像が認められ、これらの皮静脈へ刺入する際には神経損傷、血管損傷を起こす可能性が高く特に注意を要する。
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