研究課題/領域番号 |
21592706
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研究機関 | 埼玉県立大学 |
研究代表者 |
岩満 裕子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (70457810)
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研究分担者 |
筑後 幸恵 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (60310512)
星野 純子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 講師 (00320672)
前田 幸宏 日本大学, 医学部, 助手 (10287641)
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キーワード | 認定看護師 / ポジショニング / サービス / 病院組織 / 経営効率 |
研究概要 |
緩和ケア認定看護師のポジショニングを検討するため、緩和ケア認定看護師(以下認定看護師とす)が所属する全国の520施設(2009年7月時点)に、医師・看護管理者・認定看護師を対象に郵送法にて質問紙調査を実施した。回収率は、医師269名(52%)、看護管理者260名(51%)、認定看護師292名(57%)であった。医師は、認定看護師を有益な存在であり頼りになると8割以上が回答しており、医療的処置を行うことに対しても認定看護師の判断で実施し、実施後の報告でよいという回答が159名(64%)、事前の相談は必要が70名(28%)であり、認定看護師の能力を認めているという結果が得られた。次に看護管理者の結果として、認定看護師には直接ケアよりも看護師全体の質を上げる教育的役割を期待していたことが明らかになった。また、認定看護師に身に付けて欲しい能力は、リーダーシップ、自己コントロール力、人を動かす力が6割以上の回答であり、専門的知識・技術のみではなく組織活動を実践できる基盤となる能力を期待していた。さらに認定看護師の活動状況をみると、専従は75名(26%)、週に1回など定期的に活動する時間が確保されている人は111名(38%)、特に決められていない82名(28%)、時間外に実施30名、教育のみ7名等であった。資格取得後に関連外の部署へ移動した人16名、病院を移った人31名であり、活動できる病院へ移動していた。業務範囲が明確化されていると認識している認定看護師は32名であり、管理者の調査では、目標依頼をしているという回答は231名(88%)であったが、上司から目的等の依頼があったと回答している認定看護師は111名(38%)であり認識の差が見られた。チーム医療における難しさとしては、「情報の共有化」が107名(37%)で1番多かった。組織内活動する上で科長程度のポジションパワーと管理・運営会議への参加を227名、看護部会議参加254名が希望していた。 したがって、効果的に認定看護師を活動させるためには、組織運営会議等へ参加し活動目的目標を管理者と共有できる体制や認定としての活動時間の確保は必要である。また、科長レベルのラインスタッフとしてのポジションが望ましいと考えられた。
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