本研究は、能登半島地震後の被災者の健康状態を縦断的に明らかにし、健康状態と関連する要因を遡及的に明らかにすることを目的にしている。 1年目である平成21年度は、能登半島地震直後から2年が経過しており、被災地の現状把握のための調査とともに、本調査前のプレテストを実施した。 1)現状について 調査対象地域は、地震後1ヵ月後から住み始めた仮説住宅地域は2年間で撤去となり、恒久住宅に移転をして、復興期の最終段階となっていた。地域が昔からしていた行事等も行われるようになり、生活状態は元に戻りつつあった。 2)プレテストについて 被災からの時間経過とともに、記憶が薄れること、災害のことを思い出したくないという防衛機制が働くために、発災直後と発災から1ヵ月後の記憶が明確に区別することが困難ではないかとプレテストを実施した。その結果、対象者の中には回答困難なケースがあり、調査項目とともに調査する時期については再考する必要があると判明した。 これらの結果を受けて、次年度は本調査を実施していき、被災住民の健康状態とともに生活状態を明らかにしていく。
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