入院中の患者に、院内デイケアによる介入とリハビリテーションによる介入を行い、研究データの蓄積をした。リハビリテーションを行うにあたって、入院前の患者の状態をFIM(機能的自立度評価法)にて評価をしたところ、入院前のFIM総得点により、入院患者の改善の見込みが推測できることを見いだした(田中聡一ら、入院患者の日常生活動作向上に関わるリハビリテーション介入開始前状態に関する研究:日本医療福祉学会論文集(6)45-50(2011))。N病院による研究では、FIM総得点が40点以下では、リハビリテーション介入の有無にかかわらず、機能的自立度の向上は難しい。 また、得られたデータの解析を順次行っている。入院中患者へのリハビリテーションによるADL改善は知られているが、院内デイケアの併用で、よりADLの改善が見込まれることがわかった。FIMによる解析ではとくに、移動項目の有意な改善が認められた。日本老年看護学会への発表申請をし、来年度の開催に合わせた報告予定となっている。 本研究は入院患者の廃用予防(運動機能、精神機能とくに認知症)をへの介入効果を検証するものを行っているが、その活動が認められ、平成23年7月30日開催(東京大学)のTRONイーブルウェアシンポジウムで認知症に関する招待講演をおこなった。
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