研究概要 |
本研究の目的は、カナダの看護研究者であるラシンジャーにより開発されたWork Empowerment Theoryに関して、日本の看護労働環境におけるWork Empowerment Modelの構築を図るものである。初年度(平成21年度)は、調査に同意の得られた8つの急性期病院に勤務し、週20時間以上勤務している看護師(師長は除く)4840名を対象に、質問紙調査を実施した。本研究は、研究者が勤務する大学の倫理審査委員会の許可を受けて実施した。 質問紙は、属性を問うセクションのほかに、次の4つの尺度から構成されている:1) Conditions of Work Effectiveness Questionnaire-II, 2) Psychological Empowerment, 3) Manager's Action Scale, and 4) Maslach Burnout Inventory。質問紙は、調査依頼書と一緒に部署ごとに配布し、返信用封筒にて各自から直接研究者への返却を求めた。質問紙の返却をもって研究への同意を得たものと解釈した。調査依頼書には、研究協力への同意は、あくまでも自由意志であること、また無記名であることを明記した。 調査期間は、2010年1月25日から3月15日である。質問紙の返却は、2614件(回収率53%)であった。現段階は、それぞれの尺度の信頼性の検証ならびに因子分析を実施している。それぞれの尺度の信頼性に関しては、かなり高い値を示している。
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