本研究の目的は、カナダで開発されたWork Empowerment Theoryに関して、日本の看護労働環境における検証を図り、さらに米国で開発された看護管理職のアクション測定尺度との統合により、日本の急性期病院の看護労働環境におけるワークエンパワーメントマネジメントモデルの構築を図ることである。急性期病院に勤務する看護師4097名を対象に質問紙調査を実施、2172名から返却があった(回収率53%)。そのうち、有効回答は、2140名であった。使用した4つの測定尺度は、いずれも信頼性が高かった。看護師長のアクション行動は、看護師の構造的エンパワーメントに直接影響していることがわかった。管理職へのインタビューから、組織を動かす役割・機能を発揮するための技能の開発がより求められていることがわかった。
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