研究課題/領域番号 |
21592727
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研究機関 | 聖隷クリストファー大学 |
研究代表者 |
坂田 五月 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 准教授 (90288407)
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研究分担者 |
青山 ヒフミ 大阪府立大学, 看護学部, 教授 (80295740)
勝山 貴美子 大阪府立大学, 看護学部, 准教授 (10324419)
山崎 律子 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 臨床准教授 (20573794)
清原 恵美 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 臨床准教授 (40573796)
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キーワード | 新人看護師 / 看護専門職業人 / キャリア発達 / 教育支援プログラム |
研究概要 |
1. 2011年度版の教育支援プログラムによる介入: 2011年度版の教育支援プログラムを地方都市の急性期病院で、平成22年度に採用された新人看護師73名に実施した。ベースライン(68名、93.1%)、介入直後(44名、60.3%)、介入3ヵ月後(42名、57.5%)にデータを収集し、全てのデータを収集できたのは26名(35.6%)であった。職業的アイデンティティ(平均値±SD)はベースライン(39.12±7.02)が最も高く、介入直後(38.46±8.33)、介入3ヵ月後(36.68±9.207)の順に減少した。しかし、これらの経時的変化に有意差は認められなかった(F=1.140、 df=2、 p=0.323)。自由記述欄には「不安や悩みなどを話し合う機会ができて良かった」など、プログラムに対する肯定的な意見が記述されていた。その一方で「病棟の同期との差を感じて良い方には気持ちが切りかえられなかった」などの否定的な意見も記述されていた。 これらのことから、新人看護師が自己の経験を肯定的に捉えなおし、不安な気持ちを切り替える支援が新人看護師の看護専門職業人としてのキャリア発達を促すのではないかと考えられた。 2. 2010年度版の教育支援プログラムの効果の検証: 2010年度版の教育支援プログラムの介入後24ヵ月の追跡調査を実施した。調査用紙の回収率は介入群56%(42名)、対照群90.9%(40名)であった。職業的アイデンティティ(平均値±SD)は介入群(37.10±8.75)よりも対照群(39.00±7.75)のほうが高かった。しかし、2群間に有意差は認められなかった(U=949.500、df=82、p=0.309)。対照群の職業的アイデンティティがベースライン値に改善する傾向にある一方で、介入群では減少傾向のままであった。 これらのことから、看護師のキャリア発達を促す支援は新人期から2年目以降に掛けて継続して行う重要性が示唆された。
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