研究概要 |
21年度は,以下の成果を得た. 1.関連文献の系統的調査にもとづく「実習指導者役割(案)」の作成 関連文献・書籍のレビュー結果から類似内容の集約・分類を行い5カテゴリー56項目から成る「実習指導者役割(案)」を作成した. 2.フォーカスグループインタビューの実施 4名の大学教員グループと,4名の専門学校教員グループに各1回のフォーカスグループインタビューを実施した.許可を得て録音したデータから逐語禄を作成し,質的帰納的に分類・整理した.結果,31項目の指導者役割が抽出された.実習指導者に関連する文献から抽出した56項目と比較すると,そこに含まれない8項目が抽出された.また,大学教員と専門学校教員のそれぞれに特徴的な役割が示された. 3.プレテスト 関連文献・書籍からの抽出項目およびフォーカスグループインタビュー結果を基に検討を行い,「臨地実習指導者役割」を精選し5カテゴリー58項目とした.これを看護教員5名(看護系大学教員3名・看護専門学校教員2名)の協力を得てプレテストを実施し,一部項目の表現を修正した. 4.パイロット調査 全国の看護師養成機関から無作為抽出した学校に依頼し,協力が得られた115校(看護系大学35校,看護専門学校80校)に所属する教員774名に調査を依頼し,428件の回答を得た(回収率55.3%.有効回答421件).提示した「臨地実習指導者役割」58項目中,42項目について全体の8割以上の者が「とても重要」あるいは「ある程度重要」と回答した.調査結果から,実習指導の実務を担っている看護教員が臨地実習指導者の役割をどのように考えているかが把握できた. 5.デルファイ調査 臨地実習指導に関する専門家を対象に,「臨地実習指導者役割」58項目を用いてデルファイ調査を開始した.現在,第2ラウンドが終了しており,第3ラウンドの回答を回収しているところである.
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