【研究目的】本研究の目的は,実習指導者に期待する役割の見直しと役割を果たすための対策を検討することである.「臨地実習指導者役割」58項目を用いたデルファイ調査を平成21年度から22年度にかけて実施した.その結果として,臨地実習指導者に期待される役割が明らかになった.23年度から今年度にかけて,実習指導者を対象とした調査を行った.先に明らかにした臨地実習指導者に期待される役割を実習指導者自身がどのように認識しているのかを明らかにするためである. 【調査結果概要】全国の医療機能評価認定病院から無作為に抽出した803施設に調査協力を依頼し,承諾を得た168施設に所属する臨地実習指導者を対象として質問紙調査を行った。この調査は,無記名自記式調査法とし,対象者各自が投函する方法とした.調査票の返送をもって同意とみなした.調査の結果,906名の有効回答を得た.回答者の9割以上が,実習目的・目標そして実習の進め方を確認しておくことや,患者から実習協力の同意を得ること,学生受け持ち患者の安全・安楽を確保することなどを不可欠な役割だと認識していた.一方,関連文献の活用を学生に促すことや予習課題を提示すること,受け入れ病棟として実習指導案を立案しておくことについては意見がわかれた. 実習指導者の認識を受けて,実際に役割をどの程度果たしているのか,その実践の程度についても調査を実施した.この結果については分析を進めているところである. また,実習指導者が役割を果たすための対策案についても検討を進めている.
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