研究課題/領域番号 |
21592743
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
谷本 真理子 千葉大学, 大学院・看護学研究科, 准教授 (70279834)
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研究分担者 |
田所 良之 千葉大学, 大学院・看護学研究科, 助教 (50372355)
高橋 良幸 千葉大学, 大学院・看護学研究科, 助教 (30400815)
鳥田 美紀代 千葉大学, 大学院・看護学研究科, 助教 (50325776)
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キーワード | 看護学 / 慢性病 / 高齢者 / セルフケア支援 / 質評価 |
研究概要 |
本年度は、慢性病者の終末に至るプロセスを説明するケア概念の整理(文献検討)と、高齢慢性病下降期を生きる人がもつ生の見通しの体験から下降期を生きる慢性病者のセルフケアの性質の抽出、ならびに終末に至る過程における患者のセルフケアを尊重したケア技術を明らかにする研究に取り組んだ。 終末に至る過程における患者のセルフケアを尊重したケア技術を明らかにするために、インタビュー調査を行った。調査対象者は、慢性病者の終末ケアに関心をもって日々実践している熟練看護師8名であり、全員が女性で、一般病床または老人保健施設に勤務していた。インタビューは、終末に至る過程において、患者自身が最期まで生きることに向けて、看護師がいかに患者を理解しどのように支援したかについて聴取した。得られたデータから、調査対象者ごとに、看護師のケアに影響する要素を検討した。看護師のケアに影響する要素には、患者の痛み・苦しみ・苦悩の現れと感受、患者に対する日常生活支援量と内容の変化、患者の意志の読み取りとその一貫性を捉える統合的患者理解、患者の生動感が生まれる状況理解、患者の身体能力の可能性の把握、柔軟で一致感があるケアチームの存在、ケアの場の特性により生じる看護師自身のジレンマの自己理解、ケアの意味を探しつつ患者に向き合うケア態度、等があった。 今後は、慢性病者が終末に至るプロセスにおける看護師のケア技術の特性について、さらに分析を進めるとともに、ケアの場の特性に応じたケア技術の特性を明らかにしていくことが課題である。
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