研究概要 |
本研究の目的は,看護実践能力を育成するために,ICT(Information and Communication Technology)を利用し,e-learningと授業(対面授業)・演習・臨地実習による学習方法を組み合わせたブレンディッドラーニングシステムを構築し,その学習効果を検証することである。 今年度は試験的に運用したブレンディッドラーニングシステムによる学習満足調査について学会および研究誌で発表した。満足調査の結果は本システムによる学習方法や知識・技術の習得に対して肯定的にとらえている者が75%以上おり,e-learningを取り入れたブレンディッドラーニングシステムによる学習満足度が高いことが明らかになった。一方本システムに対して否定的にとらえているものは,コンピュータ操作に伴う苦手意識やネット・システムの不具合に対する不安をあげていることが示唆された。そのため,e-learningのみではなく,対面授業を意図的な関わりにしていく必要性と,学習者の双方向のやりとりが出来る工夫とシステム作りの必要性が示唆された。 さらに現在は,急性期看護方法I・II,リハビリテーション論の授業の中でAIMS-Gifuシステムを活用したブレンディッドラーニングシステムを利用して行った授業に対し,e-learningによる学習部分はAIMS-Gifuシステムのアクセス履歴および小テスト等からデータを収集・分析作業を行っている。アクセス履歴・小テスト結果の研究使用については対象者からの研究使用の同意を得て,今後ある程度まとまった段階で学会発表等の機会を利用して公表していく予定である。また,臨地実習・演習部分に関しては課題として提出したレポート内容,実習記録から質的に分析していくための準備をしている。
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