研究概要 |
本研究の目的は,看護実践能力の育成するために,ICT(Information and Communication Technology)を利用し,e-learningと授業(対面授業)・演習・臨地実習による学習方法を組み合わせたブレンディッドラーニングシステムを構築し,その効果を検証することである。 本年度は最終年度であり,看護実践能力の育成のためのブレンディッドラーニングシステムによる学習効果を明らかにした。 AIMS-Gifuシステムの中の急性期看護方法Iおよび急性期看護方法IIのコースの中に構築したブレンディッドラーニングシステムの効果を確認するために,利用項目別アクセス数と確認テストの取り組み状況別アクセス数と,急性期看護方法Iおよび急性期看護方法IIの授業の中で行われている小テスト・期末テストの得点率について分析した。対象は看護学科2年生72名で,システムの総アクセス数は9,355回,そのうち,課題に対するアクセス数は6,793回であった。小テストおよび期末テストの得点率と期末テストの前日に確認テストを利用した課題のアクセス数の間で,緩やかな負の相関が認められた。また,小テストおよび期末テストの得点率と総アクセス数との間に相関は認められなかった。e-learningによる学習は主体性のある学生は積極的に学習しているが,アクセス数が1課題1アクセス程度の学生に対しては,e-learningに取り組めるような個別的なフォローが必要である。さらに,授業開始時はe-learningによる学習課題に取り組むモチベーションも高いが,その意欲を維持できるような授業のあり方が必要であろう。
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