研究課題/領域番号 |
21592750
|
研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
宮松 直美 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (90314145)
|
研究分担者 |
盛永 美保 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (60324571)
藤野 みつ子 滋賀医科大学, 医学部, 看護部長 (50437133)
田中 英夫 愛知県がんセンター, 疫学予防部, 部長 (60470168)
|
キーワード | ニコチン依存 / 禁煙治療 / 電子システム |
研究概要 |
【目的】喫煙はほとんどすべの疾患の発症・重症化の危険因子であり、増悪や再発予防のためには禁煙が必要である。医療機関における入院患者に対する効果的な個別禁煙技法の開発のためには、患者特性と禁煙支援介入効果の関連を明らかにすることが重要であり、本年度は全入院患者の喫煙状況と患者特性を明らかにすることを目的として調査を実施した。 【方法】対象は滋賀医科大学医学部附属に2009年11~12月新規入院した20歳以上の患者とした。除外基準は小児科および緊急入院患者とした。調査方法は入院時の情報収集の際に禁煙者/喫煙者の聞き取りを行い、喫煙者に対して自記式アンケート用紙を配付した。回収は各個人で病棟ごとの回収箱へ投函とした。調査項目は、1日の喫煙本数、喫煙開始年齢、ニコチン依存度等とした。基本属性は診療録よりデータ収集した。分析は各項目の平均および割合を記述した。 【結果・考察】調査期間中の新規入院患者は1718名でそのうち除外基準への該当者は493名であった。対象患者1225名中、禁煙/喫煙状況が把握できたのは684名(把握率55.8%)であった。喫煙者118名(17.3%)の属性は年齢54.7±15.3歳、性別は男性が75.4%、病気になる前の1日喫煙本数17.8±10.6本、喫煙開始年齢21.7±7.4歳、喫煙期間32.6±14.2年、喫煙指数581.2±428.1であった。「朝目覚めてから何分くらいで最初のタバコを吸いますか」の問に84名が回答し、30分以内と答えた者が64名(76.2%)、そのうち24名は起床後5分以内に喫煙しており、高いニコチン依存度を示していた。喫煙患者のうち医療者からの禁煙支援を希望する者は14名(11.9%)であった。入院患者の喫煙状況は同年代の全国平均値と比較して低かった。しかし、喫煙患者集団は喫煙指数やニコチン依存度の高いという特徴を示しており、入院により禁煙を余儀なくされることから、心身ともに禁煙支援が必要な状況と考えられた。さらに、入院は禁煙への動機づけ、行動変容の絶好の機会であり、また新たな疾患の予防や再発予防の観点から禁煙支援が重要と考えられた。
|