研究課題/領域番号 |
21592752
|
研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
桑村 由美 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (90284322)
|
研究分担者 |
南川 貴子 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (20314883)
田村 綾子 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (10227275)
市原 多香子 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (10274268)
|
キーワード | 糖尿病患者 / 看護 / 口腔衛生行動 / 長期療養 |
研究概要 |
本研究では、糖尿病患者の口腔衛生行動を支えるための効果的な看護介入方法を考案することを最終目標としている。今年は、これまでの研究で明らかになってきたことの整理とこれから取り組む問題の焦点化を目標として取り組んだ。具体的には、糖尿病患者の抱く口腔に関連する事柄に対する認識と口腔衛生行動への実際の取組状況について分析を行った。対象者は27名で平均年齢61.6±8.6歳、糖尿病歴12.8±9.3年、HbAlc8.7±2.5%であった。口腔内の状態と口腔衛生行動の実際の取り組み状況について、口腔内の清掃状態が良好群と非良好群に分けて分析したところ、良好群は歯周病予防のために歯と歯茎の間を歯磨きしている人が有意に多かった(p<0.05)。また、現在歯数も良好群(21.6±9.3本)は非良好群(12±7.5本)に比べ有意に多く(p<0.011)、噛むことのできる食品の種類も多い傾向にあった。また、歯間ブラシやデンタルフロスを使用していたのは良好群のみであり、効果的な口腔衛生行動の実践に向けた看護介入の必要性が示唆された。次に、口腔に関連する事柄への認識については、歯の状態への諦めの気持ち、歯周病に対する実感の持ち難さ、歯に対して意識したことがない、歯磨きをやる気になれない、分かっていても理想的な歯磨きができない、歯磨きは習慣で行っているから特に意識していない等が抽出された。中には、歯ブラシを当てる強さを自分の肌で実感できるように丁寧に教えてもらってやる気になり、言われた通りに実践したら、赤かった歯茎がピンク色に引き締まってきたなど口腔衛生行動が実践できるようになる変化が語られたひともいた。今後、対象者の抱く認識が行動にどのように関連しているかを含めて、対象者の口腔内の状態や糖尿病治療の状況を加味しながら、糖尿病患者の口腔衛生行動の実践に結び付く看護介入案を考案することの必要性が再確認された。
|