研究課題
本研究の目的は、長期療養中の糖尿病患者の口腔衛生行動を支える効果的な看護介入方法を考案し検討することである。糖尿病治療と看護の全体を見据え、日常生活行動のひとつである口腔への清潔行動に注目することに特徴がある。なお、口腔衛生行動の目的は、口腔機能の保持と感染予防である。本年度の目標は、これまでの研究で明らかになった事項を集約し、今後の課題の明確化により、継続的な看護支援体制の整備に繋げることであった。前年度の調査結果から、口腔衛生行動の実施に関連が強かった項目として「糖尿病と口腔内の状態に対する肯定的な関心」「ブラッシングに対する効果が実感できること」「歯茎の腫脹がなく奥歯で噛みしめることができるなど口腔内の状態が良いこと」「自己管理行動が習慣になっていること」「糖尿病網膜症がないこと」などが明らかになった。これらを含むこれまで得られた結果について臨床家との討議や文献により検討を重ねた。その結果、長期療養中の糖尿病患者の口腔衛生行動を支える効果的な看護介入方法として、行動変容に向けた患者の状態の把握、すなわち、口腔や口腔衛生行動への価値認識、および、患者の口腔内の状態、視力や活動耐性・病期を含めた身体状態のアセスメントを慎重に行う必要がある。その上で、口腔衛生行動を実施することの効力感が実感できるように支援することが大切であると考えられた。今後は、口腔衛生行動に歯科受診・受療行動などの要素を加えて包括的に「口腔保健行動」として捉え、糖尿病の病期や合併症の有無、社会資源、価値認識など患者の状態に合わせた具体的なアセスメント項目の信頼性・妥当性を含めて詳細に検証し、看護支援体制の整備へと研究を展開することを目指し、発展的に研究を継続予定である。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Bulletin of Health Sciences Kobe
巻: 29 ページ: 1-16