研究課題/領域番号 |
21592755
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
木下 由美子 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教 (30432925)
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研究分担者 |
壬生 隆一 国際医療福祉大学, 福岡看護学部, 教授 (20200107)
川本 利恵子 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (40144969)
中尾 久子 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (80164127)
樗木 晶子 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (60216497)
中尾 富士子 九州大学, 大学院・医学研究院, 講師 (40363113)
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キーワード | 直腸癌 / 超低位前方切除術 / QOL / 排便障害 / 自己受容度 / 自尊感情 |
研究概要 |
下部直癌に対しては直腸切断術(永久的人工肛門造設術)が標準治療とされてきたが、近年、技術や器具の発達と永久的人工肛門を造設する心理的負担が考慮され、超低位前方切除術(歯状線の口側2cm以内で吻合する術式)が多く行われている。 超低位前方切除術を受けた患者は、永久的人工肛門を回避できたという安堵感も束の間で、縫合不全の予防目的で一時的に造設た回腸人工肛門周囲のスキントラブルに悩まされることも多い。さらにその数ヵ月後には回腸人工肛門を閉鎖するが、次は重症な排便障害と付き合わなけらばならない。このように超低位前方切除術を受けた患者は、外来通院中に様々な体験をして困難と向き合いながら日常生活を送ることになる。 今回の研究では、(1)超低位前方切除術と直腸切断術や低位前方切除術を受けた患者のQOLを長期的および縦断的に比較して客観的データを得ること、(2)超低位前方切除術を受けた患者の症状体験や自己概念などQOLに関連する要因を明らかして看護支援システムを構築するための基礎データを得ること、(3)これらの情報を社会に発信しサポートネットワークを充実させることが目的である。 本研究に対して同意が得られた直腸癌患者に対して、質問紙調査として、1)QOL評価(1)包括的尺度(健康プロファイル型尺度)SF-36 v2日本語版、(2)疾患特異的尺度(がん特異的尺度)EORTC QLQ-C3Ov3日本語版、及びEORTC QLQ-CR38日本語版、2)自己受容尺度、3)自尊感情尺度、4)排便障害評価を、対象者の手術後1ヵ月・6ヵ月・1年・2年以降に調査を行っている段階である。 さらに、超低位前方切除術後患者を中心に半構造的面接を行い、分析を進めている。
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