研究課題
頸下型サウナの適用によって高齢者の入眠状態を改善し、早期退院に向けての看護援助モデルを開発するために、今年度は、まず健常な若年者および健常高齢者に対して、頸下型ドームサウナを適用しその結果を検討した。サウナ温度は70-90℃(レベル高)と60-85℃(レベル中)の2レベルで実施した。いずれも、1人の被験者に対して2回の実験を行い比較した。若年者においても高齢者においても、レベル間に大きな差は見られなかった。若年者においても高齢者においても、レベル中で約0.8℃以上の深部体温上昇がみられた。この結果は、40℃の温湯に10分間入浴するのと同等の体温上昇であり、現在、温熱療法(和温療法)として活用されているサウナの活用法に準ずるものとして今後の重要な基礎的エビデンスとなるものである。循環動態においては、若年者では収縮期血圧および拡張期血圧がやや上昇するのに対し、高齢者では拡張期血圧の低下傾向が認められた。このことからサウナの活用が末梢血管の拡張や末梢血管抵抗の低下に影響しており、今後の活用に向けての示唆を得ることができた。また、本研究の目的である、入院中高齢者への適応の前に、サウナの入眠状態への影響を調査する為に、まず入院患者へ、影響の少ない部分サウナを使用して入眠状態の検討も行った。アクチグラフによる睡眠評価とともに質問紙による主観的評価においてもサウナを実施した当日の睡眠状態がやや改善する傾向にあった。
すべて 2009
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日本循環器看護学会 5
ページ: 43-51