研究課題
頸下型サウナの適用によって高齢者の入眠状態を改善し、早期退院に向けての看護援助モデルを開発するために、健常な若年者および健常高齢者への前回データを基にして、フットサウナを実際に入院患者に適用しその結果を検討した。フットサウナは膝から下を遠赤外線によって温熱環境に曝露するものである。先行研究でもフットバスによって足部を温めることによる睡眠やリラクゼーションの効果は認められている。フットサウナ温度は庫内45℃で、15分間実施した。その後も庫内に足部を入れたまま、電源を切って30分間全身を保温した。いずれも1人の被験者に対して1回実験を行い、安全性を確認した後で3日間の連用による睡眠状況を検討した。一度の実施で、約0.4℃の深部体温上昇、0.6℃以上の皮膚温の上昇がみられた。血圧、心拍数は変動がなく循環動態への影響は少ないことが確認できた。フットサウナを使用して3日間連用を行い、睡眠状態を評価した。今年度は前年度より人数を増やして行うことができた。OSA睡眠調査およびSMH睡眠調査票によって主観的なデータを、アクチグラフによって客観的な睡眠評価を行った。全体的な睡眠の改善傾向がみられたが、統計的な分析ではOSA睡眠調査の夢見に関しては実施前よりも有意な改善傾向が認められた。また、体が温かい、心地よいという主観的なデータと気分調査によるリラクゼーション傾向においても実施前と比べて有意に改善されていた。
すべて 2010
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人間と生活環境
巻: 17(1) ページ: 31-37