本研究は、沖縄県における終末期がん患者の在宅緩和ケアを促進するための課題を明らかにすることを目的とした。がん診療を担う病院医師、病院看護師、医療ソーシャルワーカー、及び在宅がん患者への療養支援を担う在宅医、訪問看護師を対象とし、郵送法による質問紙調査を行った。その結果、沖縄県におけるがん患者への在宅緩和ケアを推進するためには、在宅療養を希望するがん患者がより適切な時期に移行できるような病院-在宅間のネットワークの構築、家族の介護体制を支援する環境整備、在宅医療を担う人材確保や在宅医をサポートする体制整備等の課題が明らかとなった。さらに、今後は、医療関係者だけでなく、行政、議会、県民を巻き込んだがん対策の推進に向けた普及啓発の必要性が示唆された。
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