本研究の目的は、心疾患をもつ成人の退院後のセルフマネジメントを促進するため、多角的効果が期待される在宅型心臓リハビリテーションを、Webコンテンツを用いて運用しその評価を行うことである。退院後心臓リハビリテーションを特に実施していない患者を対象に、セルフマネジメントに関する実態調査を実施した。ヒアリング及び統計的調査結果から、全体の70%程が退院後1ヶ月以内に社会復帰し、退院後は運動習慣の改善などが見られることが明らかになった。しかし、心臓リハビリテーションの必要性は感じていないことも示唆された。3か月後には、生活上の行動に関する認知と健康関連行動の関連は強く、療養生活をマネジメントする機能が高くなることが考えられた。さらに、セルフマネジメントに影響を与える阻害・促進因子として、「EF」、「社会的支援」、「抑うつ傾向」、「勤務年数」が作用することが明らかになった。これらの成果を基にWebページ「狭心症・心筋梗塞の方のための情報・交流サイト」を作成し運用した。ユーザーが関心をもつ喫煙や飲酒などの嗜好品、食事、生活リズム、運動習慣など、心臓病に深く関わる健康関連行動に関する調査概要を記した。療養生活や心臓リハビリテーションに関する知識や情報については、添付ファイルで閲覧できるようにした。また、Web上で体験談を収集できるようコンテンツを作成した。コンテンツに対する反応はまだ十分でないため、今後もコンテンツを随時改変し、URLについて広く周知できるように広報についての対策が課題である。
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