研究課題/領域番号 |
21592767
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研究機関 | 石川県立看護大学 |
研究代表者 |
牧野 智恵 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (60161999)
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研究分担者 |
岩城 直子 石川県立看護大学, 看護学部, 講師 (60468220)
加藤 亜妃子 石川県立看護大学, 看護学部, 助手 (30553234)
洞内 志湖 石川県立看護大学, 看護学部, 助手 (30423833)
木村 久惠 石川県立看護大学, 看護学部, 助手 (90347360)
寺井 梨惠子 石川県立看護大学, 看護学部, 助手 (90457888)
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キーワード | 化学療法 / 外来 / がん患者 / 生きる意味 / 看護 |
研究概要 |
【研究目的】日本語版PILテストを、化学療法を受けるがん患者に実施し、その内容を元に患者と共に相互的対話を行うという看護介入によって、彼ら(彼女ら)のどのような人生観の特徴を導き出せるのかを明らかにする。さらに外来化学療法におけるスピリチュアルな側面における看護、つまり「意味の転換」への援助について検討する。 【研究経過】本研究は平成20年度から実施しており、平成22年3月までに、30名の外来化学療法を受ける患者にPILテスト(1回目面接)を実施し、2回目の面接まで実施した。<性別・平均年齢>男性(5名)、平均年齢6歳、女性(15名)、平均年齢50歳。<疾患>乳がん(13名)、大腸がん(8名)、子宮がん(3名)、肺がん(1名)、その他(4名)【PILテストの結果】PIL-Aの平均は99.6±11.2点(T値=49±6.4)、PIL-B・Cの平均は58.08±5.6点(T値=58.4±6.7)であり、T値は、PIL-AよりPIL-B・Cの方が有意に高くなっていた(p<0.001)。また、年齢とテストA, B. CのT値の関係には相関関係が見られている。現段階では、外来化学療法を受ける患者にPILテストを実施することを通して、以下のことが見え始めている。(1)外来化学療法に通っている患者は、看護師が考えている以上に、人生観・死生観について考えていた。また、PILをとおして、過去やこれからの人生について考えるきっかけとなっている。(2)外来化学療法で働く看護師は、安全・安楽に治療が受けられるということを最優先に考え患者と関わっているが、患者の些細な表情の変化にも多くの注意を払っていた。しかし、病気感や死生観についての話まではできず、躊躇していた。そのような場において、本テストが、患者をより理解する上での大きなきっかけとなりはじめている。
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