目的・方法:O県内のがん拠点病院、緩和ケア施設の7施設のがん患者のケアに携わる看護師を対象に、実践で簡便に活用できる補完代替療法似下、CAMとする)の教育プログラムを開発しセミナーを開催した。セミナー終了後に実践現場でどのようにCAMを活用していけるか、グループディスカッションを行い、実践への応用可能性について検討した。セミナー終了後に、7施設に本研究で開発した「ヒーリングワゴン」を配備し、臨床現場でヒーリングワゴンを活用したCAM(セミナーの内容)の実践と、その活用状況について、毎月1回のフォローアップと改善点を含めた聞き取り調査を行っている。 結果:7施設の看護師を対象に、ヒーリング看護セミナーを11月23日と28日の2日間行った。参加した看護師の総数は51名であった。教育プログラムの参加者は、1施設1病棟から5名以内に限定をし、病棟で普及をしていただくようにお願いをした。教育プログラムの内容は、(1)サプリメントのエビデンス、(2)アロマセラピー(マッサージ含む)、(3)音楽療法、(4)カラーセラピー(塗り絵)、(5)タッピング・タッチの5種類で、実技をメインにした小グループ形式の演習を実施した。各CAMの講師は専門のセラピストや看護師が担当し、それぞれ実践で簡便で短時間で行える内容にした。7施設の各病棟に配備したヒーリングワゴンには、アロマなどの精油(3種類)、キャリアオイル(ホホバオイル)、音楽CDプレイヤーやCD10セット、塗り絵やクレヨン、その他にポラロイドカメラ、癒しをメインにした写真(ラミネート)等が入っている。セミナー終了後のグループディスカッションでは、各種のCAMの実践での活用方法について検討し、アイディアの共有を図った。セミナー終了後のアンケートで、実践での活用可能性で最も高かったのがアロママッサージ(100%)、次に音楽療法やタッピング・タッチ(96%)、カラーセラピー(94%)であった。カラーセラピーは、能動的なので患者への普及ば困難ではないかという意見が挙がった。現在実践でのCAMの活用を推進中である。 結論:簡便で短時間で活用できるCAMの教育プログラムの内容は、実践で活用できる可能性が高いことが明確になった。簡便でかつ患者に有効なCAMの実践を目指して、現場の看護師の意見と患者の反応を考慮した持続できるCAMの活用が課題である。
|