研究分担者 |
鈴鴨 よしみ 東北大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (60362472)
甲斐 一郎 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30126023)
岩永 和代 福岡大学, 医学部・看護学科, 講師 (40461537)
高橋 綾 埼玉県立大学, 医療福祉学部, 講師 (70331345)
永松 有紀 久留米大学, 医学部・看護学科, 講師 (20389472)
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研究概要 |
【目的】喉頭摘出者の心理的・社会適応・Social supportの経時的変化を明らかにし、支援策を見いだす。【研究方法】縦断調査(術前、退院前、退院3カ月後、退院6カ月後、退院1年後)を東京200例、九州100例予定。調査内容は、心理的適応:NAS-J-L、informal support:MOS(Medical Outcomes Study)、formal support:HPSQ-25、QOL:SF-36v2 36項目、基本的属性(年齢・性別・家族構成・手術名・職業)、会話手段(食道発声・電気喉頭・シャント発声・筆談・ジェスチャー)の獲得状況。倫理審査は、東京が癌専門病院で承認、九州は3つの大学病院で承認。術前に口頭で調査の内容と方法を説明し、退院後は郵送調査。分析方法は、術前から退院1年後までの経時的変化と共分散分析を行い有意差の検討。調整因子として年齢・性別・家族構成・職業の有無を投入。地域差があり東京と九州地域を分けて解析。【結果】165名(東京107,九州58)の協力を得たが、途中死亡13名(11,2)、調査途中中断21名(11,10)、調査協力撤回2名(1,1)、住所不明2名、除外者7名で157名(99,58)を解析対象とした。平均年齢63.6歳(range:39-82、東京)、平均年齢67.2歳(range:46-82、九州)。東京は退院1年後に食道発声とシャント発声獲得者50%、九州は退院6ヶ月後から電気喉頭使用50%で違いがあった。失声による失職は、術前13~15%から退院1年後には28~33%と両地域共に増加。心理的適応・QOLの経時的変化はみられず。東京のみforrmal supportの情報面で術前と退院3ヶ月後、6ヶ月後に有意差があった(p<.05)。術前から身体機能や心の健康面での得点が低いこと、特に退院前と退院3ヶ月後に下降する傾向が明らかになった。両地域とも下咽頭がんが増え、検査ですぐにみつからずステージIVの段階の患者がほとんどであり、状況を受容できず手術に臨む患者もいた。【考察】術前から退院1年後まで心身の問題があり、失声による失職者1/3から、身体症状マネジメント(代用音声獲得含む)と心理的ケア、職業Supportの強化プログラムを考案する必要性が示唆された。
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