研究課題
本年度は、COPD患者を対象とした大規模臨床試験でセルフマネジメント教育の有効性のエビデンスを初めて報告したカナダ、モントリオールのMcGill大学Chest Instituteを視察した。慢性呼吸器疾患患者を対象としたセルフマネジメント教育の手法、医療チームや実際に使用する書類等に関する情報収集やCOPDナースへのインタビューを行った(植木、佐野、滝澤)。同施設におけるセルフマネジメント教育は、自己記入式の患者用教材や、安定期および急性増悪期のアクションプランが多用され、COPDナースやケースマネージャーが中心となりCOPDナースの外来オフィスで展開されていた。COPDナースの育成はChest Institute内で、ケースマネージャーの育成はカナダ全体の研修システムにより行われていた。また、研究代表者、協力者(植木、滝澤)がセルフマネジメント教育に関連する研究を同大学セミナーで講演しディスカッションを行った。さらに、欧米型セルフマネジメント教育のわが国への導入を目的に、COPD患者を対象とした外来セルフマネジメント教育プログラムを立案し、暫定的な自己記入式の患者用教材を作成してパイロットスタディーを行った。対象はステージII~IV(GOLD)のCOPD患者3名(平均年齢:65.6±2.5(SD)歳、FEV1:1.15±0.56L)で、プログラムは週1回、全6週間から構成される。アドビアランスは良好でドロップアウトはなく、介入によりHRQL(SGRQ:平均10.3ポイント減少)、運動能力(6分間歩行距離:平均37.5m増加)の改善に加え、LINQでの自己管理を含むすべてのドメインでの改善を認めた。次年度はセルフマネジメント教育のための患者用テキストをさらに修正し完成させ、外来セルフマネジメント教育プログラムの短期・長期効果の検証を開始する。
すべて 2010 2009
すべて 雑誌論文 (18件) 学会発表 (8件)
呼吸器ケア 8巻
ページ: 79-87
呼吸器科 15巻
ページ: 247-254
臨床と研究 86巻
ページ: 163-170
老年医学 47巻
ページ: 159-162
臨床栄養 114巻
ページ: 248-254
臨床リハ 18巻
ページ: 621-625
呼吸 28巻
ページ: 20-22
呼吸リハビリテーション. 3学会合同呼吸療法認定士、「認定更新のための講習会」テキスト(3学会合同呼吸療法認定士委員会事務局)
ページ: 57-71
第1章呼吸リハビリテーションとは, チームのための実践呼吸リハビリテーション(植木純、千住秀明(編))(中山書店)
ページ: 2-7
第2章呼吸リハビリテーションの適応とエビデンス, チームのための実践呼吸リハビリテーション(植木純、千住秀明(編))(中山書店)
ページ: 8-13
第3章呼吸リハビリテーションに必要な解剖と機能, チームのための実践呼吸リハビリテーション(植木純、千住秀明(編))(中山書店)
ページ: 14-19
第4章呼吸リハビリテーションに必要な病態の理解, チームのための実践呼吸リハビリテーション(植木純、千住秀明(編))(中山書店)
ページ: 20-34
第6章Aチームによる呼吸リハビリテーションの展開, チームのための実践呼吸リハビリテーション(植木純、千住秀明(編))(中山書店)
ページ: 47-51
第7章A呼吸リハビリテーションとフィジカルアセスメント, チームのための実践呼吸リハビリテーション(植木純、千住秀明(編))(中山書店)
ページ: 56-64
第10章患者教育・栄養指導の実際, チームのための実践呼吸リハビリテーション(植木純、千住秀明(編))(中山書店)
ページ: 167-192
第5章呼吸リハビリテーションに必要な疾患の理解, チームのための実践呼吸リハビリテーション(植木純、千住秀明(編))(中山書店)
ページ: 35-46
第5章Bチーム医療とコーディネーターの役割, チームのための実践呼吸リハビリテーション(植木純、千住秀明(編))(中山書店)
ページ: 52-55
包括的呼吸リハビリテーション、慢性閉塞性肺疾患(COPD)のマネジメント改訂版(橋本修(編))(医薬ジャーナル社)
ページ: 104-114