研究概要 |
1.平成21年6月に,これまで山形大学の小児専門看護師(CNS)のための実習で心身症・神経症児の看護に当たった修了生約20名に対し,研究協力者として募集を募り,研究協力者の整備を行った。 2.平成21年9月にケアモデル作成のための検討会を実施した。検討会は先行研究において明らかにされた不適応行動の分析結果から得られた成果に,これまで発表してきた数十例に及ぶ看護介入実践報告の分析を加え,心身症・神経症児と家族の看護実践の実績を持つ研究分担者と研究協力者で審議した。その結果,心身症・神経症児の不適応行動の関連因子を明確化することができた。現在はその結果を受けて,心身症・神経症児と家族のアセスメントシートの作成を検討している。また,不適応行動の看護成果,看護介入の検討を継続中である。 3.平成22年1月に,心身症・神経症児の家族および病院に勤務する看護師を対象にアンケート調査を実施し,心身症・神経症児と家族の心のケアに関するニーズ調査を実施した。その結果,情緒不安定になっており,心のケアが必要と思った子どものケースを経験しているものは58.1%おり,その6割以上が心のケアを必要と感じていた。また。約96%のものがコンサルテーションを受ける場所の必要性を感じており,約70%のものが,専門的な心のケアをしてくれる機関が身近にないと答えていた。これらの結果により,専門的な子どもの心のケアやコンサルテーションを行う機関の必要性が示唆された。本研究の成果は,平成22年度に学会等で公表予定である。また,心身症・神経症児の家族に対する調査は,平成21年8月から12月にかけて実施し,現在データ分析中である。
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