研究概要 |
1.平成22年4月にケアモデル作成のための検討会を実施した。検討会では平成21年度に実施した調査結果をもとに心身症・神経症児の不適応行動の関連因子を明確化した。それを日本看護科学学会で公表した。また,関連因子と介入方法に関する調査結果をもとに,文献検討結果を参考にしながら,妥当な介入方法を抽出・整理した。これらの過程から,ケアモデルの原案を作成し,看護診断時に使用するためのアセスメントシートを作成した。現在は不適応行動の看護成果,看護介入に基づき,実際の症例に適用できるのか検討を継続中である。 2.平成22年1月に,心身症・神経症児の家族および病院に勤務する看護師を対象にニーズ調査を実施した。その結果,情緒不安定になっており,心のケアが必要と思った子どものケースを経験しているものは58.1%おり,その6割以上が心のケアを必要と感じていた。また。約96%のものがコンサルテーションを受ける場所の必要性を感じており,約70%のものが,専門的な心のケアをしてくれる機関が身近にないと答えていた。これらの結果により,専門的な子どもの心のケアやコンサルテーションを行う機関の必要性が示唆された。その成果を北日本看護学会誌に公表した。 3.現在ケアモデルの原案に基づいて,アセスメントに活用できる客観的指標について検討中である。具体的には各項目を測定できる信頼性・妥当性の確認された心理尺度とその評価基準の整理を行っている。
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