研究概要 |
本研究の3年間の目的は、教諭や養護教諭が、1型糖尿病を理解し支援するためのパンフレットやビデオなどの学習教材を開発すること、1型糖尿病を持つ子どもが,周囲の人たちに自分の病気や状態をうまく説明し,ストレスに対処するなど充実した学校生活を送るための学習教材と教育プログラムの開発を行い,その有用性を検証すること、である。 そこで、H21年度は、教員や養護教諭が1型糖尿病を理解するためのDVD作成に着手し、原稿案を作成した。このDVDは、疾患の病態生理,自己注射や血糖測定の必要性、低血糖の対処,など、学校や幼稚園・保育園等の子どもの生活の場で、その子どもに対して支援して欲しい事項を簡潔に分かりやすく示せるようにしている。また、昨年度までの科学研究費 基盤研究(C)「糖尿病を持つ子どもの自己管理行動を促すための学習支援」の研究成果である1型糖尿病の中・高校生のデータを掲載し、子どもの生活の様子を伝えた点、注射器や血糖測定器の写真を載せた点、イラストを配置してソフトで優しい印象とした点、簡潔に必要事項を網羅してある点が独自性でもある。なおDVDの作成にあたっては、竹鼻,朝倉,高橋,佐藤、研究協力者の糖尿病専門医の田中が文章や構成を担当し、正木がデザインを担当した。本DVDは、1型糖尿病の子どもの学校や園での生活を支援するための社会啓発資源となりうる。さらに慢性疾患の子どもの理解にも大きく貢献できるものと考える。今回のDVDの試案を元に今後、更に内容の充実を図る予定である。 また、1型糖尿病の子どもが学校生活を送るための理解を促す教育プログラムの案を検討し、H22年度実施に向けての準備を行った。
|