平成21年度は、交付申請書に記載した予定よりも大幅に進行が遅れることとなった。 1.データロガーを比較検討して購入したActigraphの幼児への使用に関して、北海道で行われた日本小児看護学会において北海道大学医学部保健学科の佐藤洋子教授から助言をもらい、幼児に持続的に装着して測定する際の問題点と可能性についての示唆を得た。 2.平成22年度に使用するため、幼児に装着するActigraphのカバーをキルト地の布で作成し、口頭による説明で母親から了解の得られた2歳の幼児に実際に装着してもらい、装着時と装着中の様子を聞いた結果、キャラクターが印刷されていた方が装着可能性が高まることと、男の子用と女の子用のキャラクターの2種類が必要であることが分かり追加作成を行った。 3."Eppendorf Itch Questionnaire"の日本語訳を作成したが、自己評価用の質問紙であり日本語のニュアンスとは異なる言い回しが多数見られ、今回の目的である「幼児の痒みを母親が評価する際の指標」として全て使用することは困難である結論となり、患児が痒い時にとる行動に着目して10項目からなる質問紙を作成し、承諾の得られた母親4名の協力を得た。結果、患部を掻く、寝つき、途中覚醒、発汗が痒みの程度を判断する上で母親には重要度が高いことが示唆された。 4.10項目の質問の中から、「患部を手で圧迫する」を除いた9項目を入れ込み、平成22年度に使用するアトピー性皮膚炎日記(案)を作成した。また、母親に日記に必要な項目やその形式についてインタビューした結果から得た、保育士など母親以外にも記入しやすいこと、食物アレルギーによる痒みなどを記入できるように経時的な記入欄を設けることなどに注意して作成した。
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