平成22年度は、研究組織が1名になったことから、予定よりも大幅に進行が遅れることとなった。 1. 平成21年度に考案したアトピー性皮膚炎日記を実際の研究で使用できる形にして、5名の母親に依頼をして2週間記入をしてもらった。依頼を引き受けた母親らは、全員しっかりと記入をしていた。12月初旬には、2看護大学の小児看護およびアレルギー疾患を持つ子どもと家族への看護に関する研究の専門家2名から、記入内容について示唆をもらう機会を設け、(1)必要な項目は網羅されているが、記入する母親の負担が大きいため「母親の疲労」を捉えるという研究の目的とは乖離してきている、(2)母親の疲労の測定と併せてアトピー性皮膚炎の幼児を育てる大変さを見るための日記であるなら、細かい記入よりも1日の母親の感じ方を記入できるようにした方が良い、(3)アトピー性皮膚炎の状態を全身図に記入するようになっているが、ほとんど変化のない場合も記入が必要になるため、本来の疲労を増強させる危険性がある、と3点の指摘を受け、簡便化を図った。 2. 平成21年度に購入したデータロガーActigraphについて、子どもと母親の体動を測定するだけでは不十分である可能性が考えらた。特に1歳~2歳の幼児に関しては痒みが強い時に暗いて表現することがほとんどであるため、Actigraphと同時に測定が可能な音と光(母親が対処する時に部屋の明かりをつける)のデータロガーを1台ずつ購入することとした。 3. 計画では同時に協力をお願いするとしていた、疲労度の測定および日記記入と夜間のデータロガー装着について、保育園と小児科外来で最初に疲労度の測定用紙を配布し、その返送者から日記記入とデータロガー装着の同意を得ることとして倫理審査の調書作成をおこなった。
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