研究課題/領域番号 |
21592800
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
立岡 弓子 北里大学, 看護学部, 非常勤講師 (70305499)
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研究分担者 |
香取 洋子 北里大学, 看護学部, 准教授 (90276171)
高橋 眞理 北里大学, 看護学部, 教授 (20216758)
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キーワード | 出産ストレス / ストレス関連ホルモン / 精神神経内分泌 / 早期母子相互作用 / 行動分析 |
研究概要 |
【目的】出生後2時間で行われる母子相互作用について、Assessment of Motherinfant Sensitivity Scaleを用いて行動分析を行った. 【実施計画】7事例の母子を対象に出産後2時間のカンガルーケア場面をビデオ撮影した. 【成果】全事例に共通してスコアリング可能であった項目は、母親項目の「空間距離」、「抱き方」、「母親の気分」、「話しかけの内容」、「視覚的相互作用」、「児の苦痛に対する調整」、「世話の仕方」、「児への刺激」、「児の活動レベルの変化に対する反応」、「哺乳刺激の時期」、「哺乳刺激の方法」、「刺激の頻度」であった。児項目については、「児の状態(state)」、「気分」、「発声」、「苦痛」、「視覚的行動」、「姿勢」が観察されスコアリングが可能であった。二者関係項目では「感情の同調性」が観察され、スコアリングが可能であった。一方、評定が難しかった項目は、母親項目では「排気」、「満足に対する反応」、児項目では「満足時の哺乳刺激に対する反応」、二者関係項目では、「授乳の開始」、「終了」、「吸てつ休止時の反応」であった。今回はカンガルーケア中の母子の自然なやりとりを観察したため、時間内で必ずしも授乳が行われたわけではなく、授乳行動が観察できない事例が多かった。授乳行動に関しては、出産直後は産じょく期の栄養方法というよりも母子接触という意味合いが強いため、一連した授乳行動様式が観察されにくいことが考えられた。また、感情が極まって泣いてしまう母親もみられ、直前に体験した出産が母親の気分に影響していることが予測され、そのことを評定に反映させる必要があると考えられた。しかし、それ以外の項目に関しては評定が可能であるため、より出産直後の母子に適した項目を精選することにより適応が可能であると考えられた。
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