研究課題/領域番号 |
21592800
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
立岡 弓子 順天堂大学, 保健看護学部, 准教授 (70305499)
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研究分担者 |
香取 洋子 北里大学, 看護学部, 准教授 (90276171)
高橋 真理 北里大学, 看護学部, 准教授 (20216758)
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キーワード | 早期母子接触 / 出産ストレス / ストレスホルモン / 精神神経内分泌学 / 乳房探索行動 / 母子相互作用 |
研究概要 |
出生直後に実施した早期母子接触が、母親と新生児が受けた分娩ストレス状態に与える影響について、唾液中ストレス関連ホルモン濃度から分析することを目的に研究に取り組んだ.研究デザインは、量的観察研究とし、研究対象は、妊娠経過に異常のない経膣分娩予定の妊婦と代諾が得られた新生児各20名とした.母親学級にて口頭と文書を用いて研究の主旨を説明し、研究の同意を得た.分娩ストレスの評価指標は、唾液中コルチゾール濃度・クロモグラニンA濃度を用い、分娩入院時、分娩後60分、分娩後120分の3回、新生児用Sorbetteを使用して唾液を採取し、Salimetrics社製EIAキットにて分析を行った.母親に関する情報は、産科診療録および助産録、新生児記録から得た.出生直後の母子接触場面は、分娩後5分以内に実施し約20分間看護師の観察下で撮影を実施した. 母親の唾液中コルチゾール濃度は、分娩後60分で最も高値(70.6ng/ml±0.9)を示し、新生児では120分後でその濃度が高くなる傾向を示した.その背景には、分娩所要時間や促進分娩による身体的ストレスを反映するストレス因子が間接的に関与していることがパス解析から認められた.クロモグラニンA濃度は、母親では分娩入院時の精神的緊張下で最も高値(0.26pmol/mg protein±0.1)を示し、その後は低下していたが、誘発・促進分娩の分娩経過中の医療介入の有無により、濃度にわずかな差を認め、誘発・促進分娩症例で精神的ストレスを反映する唾液中クロモグラニンA濃度が高かった.分娩後5分からの早期母子接触において、愛着行動が認められ、乳房探索行動が見られ直接授乳行動が見られた母子のストレス関連ホルモン濃度については、唾液中コルチゾール濃度は変化を示さなかったが、唾液中クロモグラニンA濃度については、濃度の低下を分娩後120分で認めた. 本研究成果により、出生直後の早期母子接触が、分娩時の精神的ストレスを緩和する効果をもたらす可能性を生理学的指標から示したといえる.
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