研究概要 |
【目的】広汎性発達障害(PDD)の子どもをもつ母親は、見えにくい障害特性から様々な育児ストレスを抱えている。母親の心身リフレッシュ・育児life skill向上のプログラム「すきっぷママ」を開発し、予防的育児支援プログラムの介入効果を明らかにする。 【方法】看護介入研究。対象はプログラムに参加した母親80名(10G)で介入効果評価にPS-SF, WHO-QOL,家族機能(FAI)の尺度を用いた。大学の倫理審査承認を受けた。 【結果】母親の平均年齢は38歳(SD±4. 4)、71%は介入前に心身の不調を訴えていた。子どもは平均5. 5歳(17ヶ月~12歳)、男児が82%を占めた。PS-SFとWHO-QOLと家族機能との間には関連性がみられ(p<0. 05)、介入前後でPS-SFは低下し、WHO-QOLとFAIは上昇していた。PS-SFの親自身に関するストレスは有意に低下し、WHO-QOL全体、心理的,環境領域では有意に上昇した。FAI(5側面)の家族内コミュニケーション、家族内ルール、家族の評価の3側面は有意に上昇した(p<0. 05)。 【考察】母親は心身に不調を感じ、社会から孤立しやすく癒しとリフレッシュ,育児スキルアップとを求めていた。介入後は予測通り育児ストレス低下とQOL,家族機能は向上し、支援効果をみられた。しかし、リフレクションの結果として一時的にQOL低下することもあり、継続的支援,環境を含めた特性把握,早期の予防的な支援の重要性が明らかになった。
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