研究概要 |
本研究の目的は,母乳外来での助産ケアの質を評価するための尺度を開発し,母乳外来で必要とされるケアの質を保証するためのケア基準や体制を明らかにすることである。 平成21年度は,質評価尺度の開発に取組んだ。 母乳育児支援のための構造・過程・結果の基準は,平成19,20年度基盤研究(C)で得られた助産師のケア内容分析,対象者のニーズ分析の結果を基に,ドナベディアンが医療の質指標として提唱したStructure・Process・Outcomeの質の保証モデルを用いて明記し,質評価尺度の開発に取組んだ。助産師用は,自己評価用と他者評価用を検討する計画であったが,今年度は,自己評価用を4段階のリカート尺度として作成した。助産師のケア内容を母乳育児を支援するケアとして,乳房ケアを行いながら母親の母乳不足感を払拭し,育児にギブアップしそうな気持ちを支えるケアを中心概念に,5項目に分類し,自己点検(評価)のための基準を検討した。母親用は,助産師としての基本姿勢ならびに,母親のニード別に,ケア評価内容をケアの満足・充足感の観点から検討した。 今後は,調査施設以外の母乳外来開設施設の助産師の意見も聞き,内容を検討し,質評価尺度の信頼性・妥当性を統計的に検証し,質を保証するためのケア基準・体制の指標作成にむけて取組んでいく計画である。
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