研究課題/領域番号 |
21592809
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
正岡 経子 札幌医科大学, 保健医療学部, 講師 (30326615)
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研究分担者 |
吉田 真奈美 札幌医科大学, 保健医療学部, 助教 (90404756)
丸山 知子 天使大学, 看護栄養学部, 教授 (80165951)
林 佳子 日本赤十字北海道看護大学, 看護学部, 講師 (50455630)
松尾 睦 神戸大学, 大学院・経営学研究科, 教授 (20268593)
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キーワード | 妊産婦ケア / 助産師 / 経験知 / ナラティブ分析 / 知識獲得モデル |
研究概要 |
経験10年未満の助産師10名を対象に、妊産婦ケア経験と経験知を明らかにした。その結果、10年未満の助産師の語りから14の経験が抽出され、8の経験知が明らかになった。経験知は、【お産の怖さと助産師の判断力・責任の重要性】、【教科書通りに行かないケアの個別性】、【緊急時の対応】、【母子のもつ力の強さ】、【妊産婦の気持ちの理解とコミュニケーションのとり方】、【女性に寄り添う助産師の役割認識とケアの難しさ】、【経過の判断と助産技術】、【医師への報告と関わり方の工夫】であった。これらの経験知は、正常経過の妊産褥婦のケア経験、ハイリスク妊産褥婦のケア経験、対象者からのフィードバック、先輩助産師からの学びとサポートなどの経験から獲得していた。経験10年以上の助産師の経験知は、先行研究で調査した19名の他に助産師2名を追加しインタビューを行った。その結果、先行研究で明らかになった【線で見る分娩経過による医療のタイミングの見極め】、【産婦の産む力と自然回復力】、【産婦と家族のペースや希望に沿う満足な出産】、【出産はつなぎ目のない連続した生活のプロセスであり人生そのもの】、【医師からの信頼の獲得と交渉術】以外の経験知は抽出されなかった。これらの経験知は、自己の責任の重さを実感しながら産婦の側に寄り添い待つお産、妊娠期からの継続的な関わり、産婦の身体感覚や希望に添った待つお産のケア、医師との対立とサポートなどの経験から獲得していた。以上31名の助産師のインタビュー結果を基に、妊産婦ケアにおける助産師の経験と経験知の関連を調査するための質問紙を作成し、経験10年以上の助産師30名を対象にパイロットスタディを実施し、妥当性と信頼性のある質問紙を作成した。今後は、広く助産師を対象に全国調査を行い、妊産婦ケアにおける助産師の経験知フェーズモデルの構築を行う予定である。
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