【目的】1.妊娠20週頃までの夫婦を対象に、親となる準備性や夫婦の持つ育児力について、平成21年度に修正した両親調査(ケンプ・アセスメント)に基づき、評価する。2.その評価に基づき親となる過程の支援を実施し、妊娠期の支援内容を検討する。【調査方法】1.対象はX病院産科外来に通院中で正常に経過している初産婦夫婦と経産婦夫婦各5組。2.倫理的配慮は大学の倫理審査を受け、施設及び対象者には文書にて同意を得た。両親調査はBetsy Dew.が作成し、使用の許諾、修正版の指導を受けた。3.面接時期は妊娠20週頃迄、妊娠28週前後、妊娠34週前後、産後1か月以内。面接は病棟相談室で約60分行った。4.調査内容は両親調査10項目、不安や心配、子どもへの思い、親になることへの気持ちや考え、夫婦関係等である。また、質問紙は不安状態(日本版STAI)、支援の満足度等を測定した。5.支援は外来及び病棟の看護者と共に行った。6.分析は両親調査の得点、夫婦の強み・弱み、不安状態や支援の満足度の得点である。 【結果】1.対象の平均年齢は初産婦28.5歳、夫29.5歳、経産婦31.3歳、夫33.3歳、第1子1歳7ヶ月。3世代同居家族1組以外は核家族。共働きは初産婦・経産婦共に各2組。2.両親調査の平均得点は初産婦2点、夫4点、経産婦6点、夫10点であり、経産婦夫婦の方が平均得点が高く、項目では「ストレス」「タバコ・交通違反」が高かった。3.不安状態は、妊娠20週頃の状態不安平均値が初産婦41.8点、夫35.2点、経産婦38点、夫38.4点であり、妊娠34週前後では初産婦37.2点、夫35点、経産婦38.6点、夫37.3点と変化は見られなかった。4.支援後の満足度で高かった項目は「助産師の声かけや個別指導」「夫婦の話し合い」であり、役立った支援項目は「夫婦お互いの考えを理解出来た」「出産について」等であった。
|