研究課題/領域番号 |
21592812
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研究機関 | 群馬県立県民健康科学大学 |
研究代表者 |
行田 智子 群馬県立県民健康科学大学, 看護学部, 教授 (20212954)
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キーワード | 妊娠期 / 親となる過程 / 親発達 / アセスメント / 育児期 / 子育て支援 / 家族看護 / 面接調査 |
研究概要 |
【目的】1.平成22年度からの対象者に産後1ヶ月頃に両親調査(ケンプ・アセスメント)を実施し、評価する。2.その評価に基づき親となる過程の支援を実施し、育児期の支援内容を検討する。【調査方法】1.対象はX病院産科で出産した初産婦夫婦と経産婦夫婦各5組である。2.倫理的配慮は大学の倫理審査を受け、施設及び対象者には文書にて同意を得た。両親調査はBetsy Dew.が作成し、使用の許諾、修正版の指導を受けた。3.面接時期は産後1ヶ月頃、産後3~4ヶ月前後、産後6~9ヶ月前後、産後1年前後。面接と支援は病棟相談室で約60分行った。4.調査内容は両親調査10項目、不安や心配、子どもへの思い、親になることへの気持ちや考え、夫婦関係等である。また、質問紙は不安状態(日本版STAI)、支援の満足度等を測定した。5.支援は夫婦のニーズに基づく内容と集団のクラスを病棟の看護者と共に行った。6.分析は両親調査の得点、夫婦の強み・弱み、不安状態や支援の満足度の得点である。【結果】1.対象の平均年齢は初産婦29.5歳、夫30.5歳、経産婦32.3歳、夫34.3歳、第1子2歳7ヶ月。3世代同居家族1組以外は核家族。育休中経産婦1組。2.両親調査の平均得点は初産婦と夫に比較し、経産婦と夫の方が共に高く、リスクがあった。また、妊娠期より得点が低下した経産婦夫婦もいた。項目では「怒りのコントロール」「タバコ・交通違反」の得点が高かった。3.不安状態は状態不安において初産婦及び経産婦ともに産後1ヶ月頃が最も高く、3~4ヶ,月、6~9ヶ月、1年前後と低下した。4.支援後の満足度で高かった項目は「育児で楽しいこどを問いかけられた」「ベビーマッサージ」等であり、役立った支援項目は「話しをすることにより自分の考えに整理がついた」「夫婦お互いの考えが理解出来た」等であった。なお、引き続き詳細な分析を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成21年度は両親調査(ケンプアセスメント)の日本の状況に合わせ改変を行った。その両親調査を用いて、平成22年度は妊娠期の夫婦(初産婦と経産婦各5組)の査定と支援を行った。23年度は引き続き育児期の査定と支援を行い、夫婦の変化と支援の効果等は現在分析中であり、ほぼ予定通りの進行状況である。
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今後の研究の推進方策 |
親となる過程において、妊娠期から夫婦に対して行う支援の両親調査(ケンプアセスメント)及び支援(strength-based Approach)は米国で研修を受け実施しているので、検討した支援プログラムの妥当性を確認するため渡米し、米国での支援の現状を視察し新たな知見を得るとともに、我が国における支援プログラムの検討を行う。
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