本研究プロジェクトは、周産期医療ケアシステムが効率的かつ有効に機能するよう、その一翼を担う母体・胎児集中治療室(maternal-fetal intensive care unit : MFICU)の運営に焦点を当てたものである。本研究プロジェクトの目的は、まず、MFICU看護の問題点と課題を明らかにし、ケアの特殊性、専門性を明確にする。さらに、MFICUのケアに必要な専門的能力を明らかにし、母体・胎児集中ケア認定看護師養成プログラムの基礎となりうる研修プログラムを開発することにある。その中で、本研究の目的は、国内各地のMFICUの看護管理者に対して現状における課題と、MFICUスタッフに必要とされる臨床的能力とその研修内容について明らかにすることである。 平成22年度は、研究の第2段階として、施設の特徴や背景をふまえた困難さ、MFICUであることの困難さや必要とされる能力を明らかにするため、施設見学を含めた面接調査を現在までに5施設に行った。 平成23年度は、平成22年度に引き続き施設見学を含めた面接調査を行うよう施設に依頼を重ね、承諾が得られた1施設の調査を行った。平成22年度の結果とあわせて結果を分析している。また、6月の日本母性看護学会で交流集会を開催し、平成22年度に5施設に対し行った施設見学を含めた面接調査の結果の一部を発表し、実際にMFICUで勤務されている方々との交流を深めた。さらに、これらの結果をふまえ、平成24年度以降に研修会を開催するための研究計画立案について協議した。
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