化学療法中における小児がんの子どもに対して、看護師が行う食事の援助について明らかにすることを目的に、研究協力を得た小児病棟の看護師に、実際に病棟で行われている食事の援助の内容や子どもの反応、家族の様子などについてインタビューを実施した。データからがん化学療法中の子どもの食事の援助に関する部分について質的に分析した結果、【消化器症状に対する援助】【好中球減少症に対する援助】【摂食行動の自立に向けた援助】【食べられないときには強制しない援助】【親の副作用や食事に関する心配事への働きかけ】【子どもの間で起こる情報交換】の6つのカテゴリーが抽出された。看護師が行うがん化学療法中の子どもの食事への援助として、消化器症状に対する援助や、制限による寂しさや不安を緩和させる「心身の緩和ケア」、発達段階に応じた「食事の場面を通じた自立への支援」の必要性が示唆された。 本研究の結果を踏まえ、小児がん化学療法を受けている子どもの副作用症状に合わせた食生活セルフマネジメント支援プログラムの開発に向け、症状のセルフケアマネジメントだけでなく、食育や健康リテラシーの観点を加えた検討を進めている。
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