小児がん治療における食生活セルフマネジメント支援プログラム開発の研究実施計画からの変更点は、次の3点である。 1)対象は、親から子ども自身によるセルフマネジメントへの移行時期である8歳~12歳とした。2)プログラムで使用する説明媒体は、学童の関心が高まる視聴覚の要素を取り入れタブレットPCとした。 3)心理社会的および全体的評価には、対象者の負担を軽減するために、合計すると調査項目が少なくなる生活満足度(QOL)を用いた。 プログラムに対する子どもおよび家族の受け入れは良好であった。また、食事や栄養、消化器症状や好中球減少等の知識や技術の提供は、タブレットPCを用いたことにより、子ども自身の食事や症状に対する関心に加え、機器に対する興味も相まって、知識や技術の獲得のためにタブレットPCを使用する機会が確保されていた。面会時間などを利用して、子どもと母親の双方に働きかけることにより、母親自身が捉えきれていなかった子どもの症状に対する苦痛を確認することができ、子どもの苦痛を緩和するための工夫や方法について子どもとともに考えるきっかけができ、看護師に主体的に働きかけことへと繋がっていた。このことは、介入後に症状が悪化し、食事摂取量も減少した際、子どもに対する生活満足度(QOL)のうち、[友達の満足]、[学校と先生の満足]、[全体的な健康の満足]、[体力と勤勉性、自尊感情]の因子の得点が下降していたにも関わらず、[不安や悩み]、[家族と家族の満足]が上昇していたことからも、明らかであった。
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