研究課題/領域番号 |
21592825
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研究機関 | 滋賀県立大学 |
研究代表者 |
金森 京子 滋賀県立大学, 人間看護学部, 助教 (10352915)
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研究分担者 |
中野 桂 滋賀大学, 経済学部, 教授 (40324561)
吉川 英治 滋賀大学, 経済学部, 准教授 (80263036)
只友 景士 龍谷大学, 政策学部, 教授 (30303762)
桑名 亜希子 滋賀県立大学, 人間看護学部, 助教 (30525283)
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キーワード | 妊娠リスクスコア / 出産場所 / 医療連携 / 機能別分担 / 周産期管理 |
研究概要 |
当該年度の研究は、全体構想の目的を達成するために、前年度からの継続調査を行ってきた。研究の目的は、(1)第一次医療施設において出産した妊産婦らの妊娠リスクスコア(以下、スコアと言う)に対する周知・利用状況に関する実態を知る。(2)第一次医療施設で出産した女性を対象にスコアを用いて得点を算出し、分類された各群の妊娠期のリスク得点と分娩帰結との相関を検討する。(3)各群に分類された女性らが、自らの出産や出産場所(出産環境の条件)に対してどのような要望を持っているのか明らかにする。(4)以上の成果を周産期における地域医療連携における政策提言にまとめる、であった。 特に年度前半には、研究目的(2)の平成22年度前方視調査の継続として、診療所4施設の対象妊婦約350名の回答済み調査票と診療記録とを照合するとともに、当該妊婦の分娩帰結の情報を蒐集した。後半期には、研究目的(3)に向けて、平成21年度後方視調査において同時に実施した「出産と出産場所選びに段するアンケート」の集計と自由回答の整理を行った。 H21年度からH23年度の3年間にわたり第一次医療施設において「妊娠リスクスコア」を用いた後方視誌調査と前方視調査を行い、クリニック5施設、助産所2施設で調査対象数は1,500名以上となった。基礎データとしては大変重要かつ貴重な資料である。調査地域の自治体では母子健康手帳の別冊にスコアが掲載されて5年が経ち、約半数近くがスコアの存在を周知していた。しかし利用した人は周知していた人の半数に過ぎず、利用しても実際に出産場所を変えていない中リスク群・高リスク群が65.6%を占めた。また、スコアを使用した後方視調査(n=1,135)では、Aスコアの加点は1-3点が全体の66.9%を占め容易に点数が付く。一方、Bスコアは0点が68.2%を占め点数が付きにくいことが明らかとなった。現在、解析と論文執筆を中心に作業を進めている。
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