本研究は、小児看護専門看護師(以下、CNS)と連携しながら、看護師のプレパレーションに関する現在の認識を明らかにし、看護師が行うプレパレーションの定義と実践例の提示、ケアモデルをベースとした臨床への導入モデルの考案を行うことにより、子どもの権利保護を主眼としたプレパレーション本来の意義の普及と小児看護の質の向上に寄与することを目的としている。看護師のプレパレーションの認識については、CNS(研究協力者)との討議および日本とドイツの小児看護師のプレパレーションにおける現状の課題を明らかにするために意識調査を行った。この調査に関しては、ドイツの協力機関においてNRWカトリック社会福祉大学マイケル・イスフォルト教授と共同調査を行い、その結果の分析及び報告を現地にて行った。今後は、ドイツおよび日本国内においてそれぞれ誌上または学会発表を行っていく予定である。また、ドイツの医療文化の歴史的背景や医療体制、看護職の教育課程についてさらに情報収集を行い、この調査結果の比較研究を進める必要がある。ケアモデルについては、原案のチェックリストを活用しやすい携帯型に改良するため項目を精選し簡潔にしたものを考案した。これをもとに臨床現場で試用してもらった事例の解説をまとめ、臨床現場で活用できるよう公表していく予定である。今後は、調査や試行の結果に関してさらに分析し、実践での活用方法について検討していきたい。
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