研究課題/領域番号 |
21592831
|
研究機関 | 山口県立大学 |
研究代表者 |
木戸 久美子 山口県立大学, 看護栄養学部, 准教授 (40269080)
|
研究分担者 |
林 隆 山口県立大学, 看護栄養学部, 教授 (20253148)
藤田 久美 山口県立大学, 社会福祉学部, 准教授 (40364129)
|
キーワード | 発達障害 / 育児支援 / 母親 / 育児困難感 / 地域 / 抑鬱 / CES-D |
研究概要 |
本研究は、育児に関して日常生活上の困り感をもつ発達障害児及び発達障害が疑われる子どもをもつ母親を居住地域で支援するためのシステムを開発することを目的としている。平成22年度は、幼児期、学童期(思春期世代含む)といった発達年齢ごとに母親が子どものどのような行動に困り感をもっているか、また、母親の精神面の健康状態と子どもの行動との関連性について質問紙による調査を行った。調査協力の得られた13人の母親を対象とした。母親の精神面の健康状態を測定する尺度として用いたのは、Center for Epidemiologic Studies Depression Scale(CES-D)である。子どもの行動特徴を把握するためにChild Behavior Checklist(CBCL)を用いた。対象者の子どもの性別は全員男、子どもの診断はAutismである。子どもの年齢の平均値は8.15±3.854(2-14)歳だった。幼児期世代の子どもは6人、学童期世代の子どもは7人だった。母親のCES-Dの平均値は18.31±11.287(5-39)だった。CES-Dは、0~15が正常群、16~20が軽度抑欝群、21~24が中等度抑欝群、25~60が高度抑欝群である。本研究の結果は6人は正常群で、残り7人のうち軽度抑欝群2人、中等度抑欝群1人、高度抑欝群4人だった。CBCLの上位尺度(内向・外向)評価と総得点のT得点平均は66.46±30.34であった。59点が正常域、60~63点が境界域、63点より上が臨床域である。本研究の結果は、正常域5人、境界域0人、臨床域8名であった。CES-DとCBCL上位尺度(内向・外向)評価と総得点のT得点のSpearman相関係数はγ=0.703(P=0.007)と高い相関を認めた。今後は、子どものどのような行動特性が母親の精神面の健康状態に影響を及ぼしているのかを検討したい。
|