健康リテラシー評価方法の開発を行った。健康に関する知識の獲得だけでなく、自分の考えを表現し、相手とコミュニケーションを持つことなども含まれる、具体的な課題に評価の視点を当て、複合的課題に関し、評価できる評価方法の開発を目指した。(1)子どもの健康リテラシー、保健行動、自己効力感尺度、子どもの保健行動尺度の信頼性、妥当性の確認、子どものリテラシー尺度として、i自分健康への責任、ii健康行動の実践能力、iii疾病予防の知識、健康情報探索能力、V健康問題への関心、vi潜在的危険状況への対処の知識の6下位尺度により構成される暫定尺度を作成した。次いで、この暫定子どもの健康リテラシー尺度、保健行動自己効力感尺度、子どもの保健行動尺度について、小学4年生から中学3年生合計450名を対象に調査を実施した。因子分析による因子構造の確認項目分析による項目精選の結果6下位尺度が抽出された。6週間後の再テストによる安定性の検討、クロンバックのα算出による信頼性、妥当性の検討の結果、許容できる尺度であることが確認された。(2)小学生・中学生・高校生を対象としたグループ・ディスカッションの内容分析と要素の抽出、「健康生活促進」「健康見直し」「健康指標」に関する内容分析の結果について基礎データと分類された要素との妥当性の検討を行った。(3)中学生・高校生を対象とした健康自己評価方法の妥当性の検討を行った。(4)シナリオを用いた拒否スキル評価の内容分析の妥当性の検討を行った。(2)~(4)について、内容分析の結果、健康自己評価点それぞれ、分析した文脈の適切性の確認、データとカテゴリー名との一致を確認、カテゴリー間の関係性の適切性、妥当性が確認された。さらに、妥当性を確認するため上記分析結果について4名の研究者に研究者間の一致率の確認を行った。上記内容の研究者間の一致率はすべて80%以上であった。さらに、形成評価としての妥当性について検討を行い、ある程度許容できる内容である事が確認された。
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