研究課題/領域番号 |
21592839
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研究機関 | 日本赤十字看護大学 |
研究代表者 |
神谷 桂 日本赤十字看護大学, 看護学部, 講師 (50331484)
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研究分担者 |
平澤 美恵子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授 (40211510)
谷口 千絵 日本赤十字看護大学, 看護学部, 准教授 (10349780)
喜多 里己 日本赤十字看護大学, 看護学部, 講師 (30367221)
千葉 邦子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 助手 (40553574)
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キーワード | 妊産婦支援 / 災害拠点病院 / 分娩 |
研究概要 |
本年度は、阪神淡路大震災以降の産科における震災時の対応についての文献検討、研究協力施設産科病棟における震災対策のグループワークへの参加、所属大学の研究倫理審査委員会の承認を得て、阪神淡路大震災時に産科病棟に勤務していた助産師6名にインタビューを行った。 グループワークでは、勤務者の少ない夜勤帯に地震被害が起こった場合を想定し、リーダーやスタッフナースの役割について机上シミュレーションがなされたが、平時のケアから、災害時のケアのあり方へ意識を転換することが困難であることに気づかされた。 インタビューにおいては、阪神淡路大震災の発災直後から約1ヵ月経過するまでの産科病棟の状況と、助産師の活動についてインタビューを行った。発災直後には、明確な指示を出すリーダーの存在が心強く、妊産褥婦と新生児の安全を確認する活動が主となった。1施設では発災前後に分娩があったが、産婦が分娩台から投げ出された。普段行っていない陣痛ベッドでの分娩介助は難しく、余震の続く中、再度分娩台で分娩介助を行った。その後は、入院中の妊産褥婦の食や住を充足するための活動が主となったが、助産や看護活動を行うことはほとんどなかったと認識していた。また被害の少なかった地域や近隣府県へ妊産婦を紹介したが、先方施設の受け入れ状況や妊産婦の経過については追跡できなかった。約3週間で、妊婦健診や分娩の受け入れを再開し、身寄りがない等の理由で他施設へ移動しなかった妊産婦へのケアを行うようになった。助産師たちは、自らも被災者でありながら、無我夢中で勤務を続けていた。 地震災害時の産科病棟の状況についての先行研究が少ない中で、インタビューにより産科病棟の状況が明らかになり、また余震が続く過酷な状況の中でも妊産褥婦が生活できるように奔走する助産師の姿が語られた。
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