研究概要 |
本研究の目的は思春期の子どもとその家族のヘルスプロモーションとセルフケア能力の向上を目指すことである。具体的には思春期の子どもをもつ親の養育上のニーズと必要なサポートをアセスメントし,子どもとその家族に必要な健康情報を盛り込んだ参加型の親支援プログラムを開発,実践し,家族に対する健康教育の介入を行い,その効果を検証する。本研究の初年度にあたる21年度は,思春期の子どもとその家族に対する健康教育の介入についての具体的な内容を考えるため,以下の3点について実施した。 1.思春期の子どもたちが抱える健康問題とヘルスニーズおよび養育に関する問題について把握するためのフォーカスグループインタビューを実施した。これは首都圏の高校生を対象として行ったが,パイロット調査に過ぎず,今後は中学生および思春期の子どもを持つ家族に対する同様の調査を継続しながらニーズ把握を深める予定である。 2.先行研究による親教育プログラムの実態把握と内容検討を行った。特に米国シンシナティ子ども病院メディカルセンターにおけるChild-Adult Relationship Enhancementプログラムに着目し,そのトレーニングを体験した。このプログラム自体はまだ日本に導入されつつある段階で,改良途上にある。またティーンエイジャー向けのものもあるがそれを日本で展開することの有効性についての検証はなされていないことから,取り入れ方を慎重に検討する必要がある。 3.健康相談体制および対照群とする集団の量的比較調査準備として,主としてweb環境の整備,試運転による動作環境のチェックと再調整を実施した。 以上の結果を基にして,次年度以降はプログラムの作成,実施,評価を進める。
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