研究概要 |
本研究の目的は思春期の子どもとその家族のヘルスプロモーションとセルフケア能力の向上を目指すことである。具体的には思春期の子どもをもつ親の養育上のニーズと必要なサポートをアセスメントし,子どもとその家族に必要な健康情報を盛り込んだ参加型の親支援プログラムを開発,実践し,家族に対する健康教育の介入を行い,その効果を検証する。2年目にあたる22年度は,思春期の子どもとその家族に対する健康教育の介入についての具体的な内容を考えるため,以下の2点について実施した。 1. 東京都下の公立中学校において,思春期の子どもをもつ母親47名を対象に,自身の健康を意識付け,家族の健康を考えるための教育的介入を行った。母親らの平均年齢は45.2±5.6歳であり, 83%が核家族であり, 13%が拡大家族であった。約1時間の健康教育の後,家族が健康に過ごすための要件について自由記載による回答を求めたところ,内容は,「規則正しい生活へのサポート」「食事・栄養」 「円満な関係・メンタルヘルス」 に集約された。また母親に対する面接調査を実施し,内容分析を行った結果もほぼ同様のものだった。母親らは家族の健康を考える機会を通して,自分たちの健康への関心も高めていた。 2. 健康相談体制および対照群とする集団の量的比較調査の準備を整え, web環境の整備,試運転による動作環境のチェックと調査内容について再調整を実施した。 以上の結果を基にして,次年度は具体的なプログラムの実施,評価を行う予定である。
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