研究課題/領域番号 |
21592841
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研究機関 | 日本赤十字九州国際看護大学 |
研究代表者 |
後藤 智子 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 助教 (30441877)
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研究分担者 |
佐藤 珠美 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 教授 (50274600)
石山 さゆり 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 准教授 (80336122)
濱田 維子 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 講師 (90369091)
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キーワード | 排尿ケア / 排尿症状 / 産褥期 / 残尿量 |
研究概要 |
平成23年度は2つの研究を実施した。 1.出産前後における排尿ケアのあり方についてケアの直接的な受け手である女性の視点に立って検討することを目的に、産後4か月の女性を対象に質問紙を用いた量的研究を行った。2011年6~9月、近隣の9市町村の協力を得て、産後4か月健診を受診した女性に対し質問紙859を配布した。回収数は464(54.01%)、分析対象数は457(53.21%)だった。本調査では、妊娠期に約85%、出産後~1か月健診迄に70~80%の女性が排尿症状を自覚しており、4か月健診時においても25.5%が尿失禁で悩んでいることが明らかになった。また、妊娠前から膀胱炎や尿失禁などの排尿症状を抱える女性が20~30%みられたこと、情報提供の希望が多かったことから予防への取り組みの重要性が示唆された。 2.それまでの質的・量的調査で得た結果を裏づける基礎的資料を得ることを目的に、単胎で妊娠36週以後に出産した褥婦を対象とした膀胱用超音波画像診断装置BVI6100を用いた残尿量測定と膀胱および排尿症状に関する前向き観察研究を実施した。研究期間は2011年10月~2012年4月。研究協力者はローリスクの妊産婦を対象としている診療所において、2012年1~3月に出産予定の70名(初産33名、経産37名)であった。協力者には産褥期の残尿量測定に加えて、妊娠期、産褥期(入院期間中)、1か月健診時において計5回の質問紙への回答を依頼し、女性の膀胱機能と排尿症状との関連をみるための情報を得た。分析の視点は、産褥早期と1か月健診時における残尿量と膀胱・排尿症状の発生状況と関連性、産科学的因子と産後の残尿量と症状との関連性等である。本調査では、産褥早期の残尿量に関係なく子宮収縮は良好だったが、初回排尿時において導尿を受けた褥婦7名のうち3名は起立性低血圧を起こしており、改めて初回排尿時のケアのあり方について検討する必要性が示唆された。詳細分析は進行中である。
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