研究概要 |
病院での環境測定実習結果から病院環境を評価し,患者だけでなく医療従事者にとってもより適切な環境を構築するために,環境看護の視点からの基礎資料を得ることを目的とした。環境測定項目は,騒音、照度、温度、湿度、気流、である。2009年度の冬期にA特定機能病院で前記項目の測定を行った。また、ほぼ同じ時間帯に患者と看講師に対するアンケート調査を行い、環境測定結果とアンケート調査結果との比較検討を行った。各測定結果(Max.-Min.)は次のようになった。騒音(dB)は、病室では43.6-55.6、デイルームでは51.2-55.6、外来では48.0-60.9であった。照度(lx)は、病室では入口が80-358、中央で170-564、窓側で400-1801、デイルームで538-1577、外来では235-652であった。温度(℃)は、病室では入口が24.9-27.8、中央が25.4-28.0、窓側が26.1-30.1、デイルームでは24.4-27.1、外来が23.4-26.2となっていた。湿度(%)は、病室では入口が27.4-43.0、中央で31.6-42.6、窓側が27.9-40.6であった。デイルームでは、30.7-34.3、外来では37.2-46.8となっていた。気流(m/s)は、病室では、入口で0-0.03、中央で0-0.02、窓側で0.02-0.29、デイルームでは0.01-0.05となっていた。アンケート調査は、病棟の患者55名、外来の患者50名、看護師26名を対象に行った。(1)騒音:患者では大部分が「気にならない」としていたが、看護師では約7割が「やや騒がしい」としていた。(2)照度:患者は大部分が「良い」としていたが、看護師では約4割が「やや暗い」としていた。(3)温度:病棟患者では、「暑い・やや暑い」が約4割、外来患者では約4割が「暑い・やや暑い」約3割が「やや寒い・寒い」と答えていた。看護師では、「暑い・やや暑い」が約4割であった。(4)湿度:患者、看護師ともに約3割が「やや乾燥・乾燥」と答えていた。(5)気流:患者も看護師も「普通」が大部分であった。以上のように患者に比べ、看護師でより評価が厳しい傾向が認められた。
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