研究課題/領域番号 |
21592850
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
小林 敏生 広島大学, その他の研究科, 教授 (20251069)
|
研究分担者 |
影山 隆之 大分県立看護科学大学, 看護学部, 教授 (90204346)
久保 陽子(安井陽子) 産業医科大学, 産業保健学部, 助教 (90412668)
|
研究期間 (年度) |
2009-04-01 – 2013-03-31
|
キーワード | 定年退職 / 労働者 / 再雇用 / メンタルヘルス |
研究概要 |
本研究は大量定年時代を迎えた現代社会において,ライフイベントである退職が労働者のメンタルヘルスやQOLに与える影響を明らかにし,退職を控えた労働者への適切な健康支援策に結びつけることを目的とする. 最終年度は,定年前後のメンタルヘルス・QOLに影響すると考えられる因子を質的インタビューから抽出して作成した調査票を用いて,退職予定者(58歳および59歳)145名を対象とした調査を実施した.質問内容は,健康感,生活満足度,退職への不安・退職準備行動,退職後の生活,再雇用希望,ソーシャルキャピタル(SC)関連項目とし,107名(回収率;73.8%)から回答を得た.結果,定年退職時期の男性労働者の健康感・生活満足度は比較的高く,健康行動変容を認めた.一方で,定年退職への不安を抱える者は多く,健康以外の不安要因が存在した.また,退職準備行動の有無はSCと関連しており,再雇用希望者は健康感が高い者が多かった.以上の結果は2012年5月のアジアパシフィックヘルスプロモーション学会(台湾),2012年10月の日本公衆衛生学会にて報告した. 次に,得られたデータと定期健康診断時に測定した精神的健康度(CES-D)との関連を検討した結果,CES-Dで評価した精神的健康度は比較的高かったが,精神的健康度の低さには,定年退職への不安,定年退職後の予定未定,低いSCなどが関与していた.退職期の労働者の精神的健康度を良好に保つためには,職場のストレス対策に加えて,労働者個人のSCを高めることが重要と考えられた.以上の結果は,2013年5月の日本産業衛生学会,2013年8月の世界ヘルスプロモーション学会(タイ)にて発表予定である. 今後,研究期間終了後も定年退職後の対象者について再度,健康感,満足感,SC,ライフスタイル等に関する調査を実施し,退職期の労働者への健康支援策の構築に繋げる予定である.
|
現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|