研究課題/領域番号 |
21592853
|
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
尾道 三一 熊本大学, 大学院・生命科学研究部, 名誉教授 (70112406)
|
研究分担者 |
上田 公代 熊本大学, 大学院・生命科学研究部, 教授 (20145345)
原田 幸一 熊本大学, 大学院・生命科学研究部, 教授 (00094029)
|
キーワード | 低出生体重児 / ストレス / ライフステージアプローチ / 前向きコホートスタディ / 妊娠のライフスタイル / 妊娠前体重とBMI / ソーシャルサポート |
研究概要 |
【目的】低出生体重と関連が強かった妊娠関連のストレスに焦点をあて、妊婦の日常生活と心の健康自己評価質問紙(WHO)の関連を前向きに調査し、結果として出生体重との関連を分析する。 【方法】1)調査対象と方法:妊婦を対象に、A施設のみで、選出基準にあった妊婦の初期(妊娠第15週まで)・中期(16-27週)・末期(33-34週),出生、までを前向きに追跡し、妊娠の各期に心の健康自己評価質問紙(WHO)および妊婦の生活の質問調査を行った。児の出生体重は病院よりまとめてデータを得る。2)分析:H21年度~H22年度までに573名の有効回答が得られた。妊娠1~3期の追跡数が少ないため、妊娠時期別(初期-174名)、(中期-209名)、(末期-190名)に、心の健康自己評価と妊婦の生活を横断的に比較した(Wilcoxn検定)。 【結果】まず、妊娠3期別に、出産週数、年齢、身長、妊娠前体重、妊娠前BMIの統計的有意差はみられないことを確認した。1)心の健康度(高値ほど前向き)と心の疲労度(高値ほど疲労は低い)は、一般女性(20-64歳-文献)に照らしあわせると、心の健康の数値は高い傾向にあった。一方、心の疲労度は一般女性と全体的に同じ傾向であったがサブ項目である「身体的不健康感」、「失望感」は高値であった。2)心の健康度と心の疲労度の関連は弱く(ρ=0.35、p<.0001)、両者は必ずしも相関していないことが示唆された。3)妊娠3期別による、心の健康度と心の疲労度の比較では有意差はなかった。しかし、サブ項目の「家族不安」では前期が末期より高く有意差がみられた(P<.05)。同様に妊娠生活に関して「妊娠に関するストレス」と「職場の満足度」「生活習慣」は、前期が中期と末期より低値であった。日常ストレス、サポート、生活満足度は妊娠3期別に有意差はみられなかった。
|